転生したのに0レベル
〜チートがもらえなかったので、のんびり暮らします〜


515 とっても甘いゼリーを作るつもりだったんだけどなぁ



 髪の毛つやつやポーションも、今までに何度か作ってるから一度にたくさん作る事ができるんだよね。

 はちみつとか卵の用意は近所のおばさんたちがしてくれたし、セリアナの実の油の抽出はお肌つるつるポーションを作る時に一緒にやっちゃったでしょ。

 だからいつもよりはいっぱい作んなきゃダメだったけど、思ったよりも早くできちゃったんだ。

 と言う訳で、ほんとだったらここでおしりをふく紙を作る作業に移るとこなんだけど、

「ねぇ、お母さん。おしりふきの材料は悪くなんないから、先にお菓子作ってもいい?」

「そうね。セリアナの実のジュースもかなり足が速いから、先にそちらを作った方がいいかも?」

 でも思いついたお菓子を早く作りたかったもんだから、お母さんにお菓子を先に作ってもいい? って聞いてみたんだよ。

 そしたらいいよって言ってくれたもんだから、僕はさっそくセリアナの実のジュースを使ったお菓子作りを始める事にしたんだ。


「このまんま作ると、もしかしたらあんまりおいしくできないかも?」

 セリアナのジュースはとってもおいしいけど、ゼラチンで固めちゃうとそのまんま飲むより甘く無くなっちゃうでしょ?

 だから僕、お砂糖を入れようって思ったんだけど……。

「どれくらい入れたらいいんだろう?」

 僕、料理人の一般職があるから大体ではあるけど、どれくらいお砂糖を入れたらおいしくなるのかが解るんだよ?

 でもね、キャリーナ姉ちゃんやスティナちゃんは僕が作ったお菓子を食べた時によく、もっと甘い方がおいしいのにって言うんだよね。

「せっかく作るんだったら、スティナちゃんがおいしいっていう方がいいもん。お砂糖、いっぱい入れちゃお」

 僕、スティナちゃんのお兄ちゃんだから、スティナちゃんがおいしいって思うお菓子を作りたいんだ。

 だから僕がこれくらいかなぁって思ったのよりもちょっと多めのお砂糖を、セリアナの実のジュースに混ぜてったんだよ。

「ちょっと甘くしすぎちゃったかなぁ? でも固まったら違うかもしれないし、とりあえずこれで作ってみよっと」

 僕はお母さんに持ってきてもらったゼラチンをちょびっとだけあっついお湯に入れて溶かすと、陶器のカップに一杯分だけ入れたお砂糖入りのセリアナのジュースに入れたんだ。

 でね、それを木のさじでしっかりと混ぜてから簡易冷蔵庫の上の方に入れたんだよね。

 だって簡易冷蔵庫は普通の冷蔵庫と違って一番上に氷を作るお部屋があるから、そこに近い方が温度が低いもん。

 そこに入れとけばすぐに固まるからね。

「お母さん。試しにちょこっとだけ作ったから、キャリーナ姉ちゃん読んで来て」

「キャリーナを呼ぶの?」

「うん! だってキャリーナ姉ちゃん、スティナちゃんとおんなじくらい甘いの好きでしょ? だからお砂糖はこれくらいでいか、聞こうと思ってるんだ」

 スティナちゃんがおいしいって思うのを作ろうと思ったら、おんなじように甘い方がいいって言うキャリーナ姉ちゃんの言う通り作った方がいいよね?

 だからお母さんにキャリーナ姉ちゃんを連れて来てもらって、今固めてるゼリーを試食してもらう事にしたんだ。


「ルディーン、これ、とってもおいしいよ!」

「そっか。じゃあ、やっぱりいっぱいお砂糖を入れた方が良かったんだね」

 キャリーナ姉ちゃんはできたばっかりのセリアナのゼリーを食べると、ほっぺたに手を当てながらおいしい!って言ってくれたんだよ。

 だから僕は、やっぱりこれくらいお砂糖を入れた方が良かったんだって思ったんだけど、でも一緒にゼリーを食べてるお母さんはこんなに甘くして大丈夫かなぁ? って。

「う〜ん、流石にこれは甘すぎるんじゃないかしら?」

「え〜、絶対これくらい甘い方がおいしいよ」

 そんなお母さんにキャリーナ姉ちゃんは、絶対にこれくらい甘い方がいいって言うんだよね。

 でもお母さんは、やっぱりこれは甘すぎるからダメって言うんだよ。

「ルディーン。中にはキャリーナみたいに甘い方がいいという人もいるかもしれないけど、子供と大人とでは味覚が違うでしょ? これは冷たくておいしいし、作るのも簡単だから村の人たちに設けると主おうのよ。だからね、もっと甘さを控えた物も作ってくれると、お母さん嬉しいな」

 そう言えばゼリーは、ゼラチンがあったら誰でもみんな作れるよね。

 それにこれ、つべたくって今みたいに暑い時だととってもおいしいもん。

 ならお母さんの言う通り、村のみんなも絶対食べたいって言うよね。

 あっ、でも。

「さっき貰ったセリアナのジュース、お砂糖を全部入れちゃった」

「渡したジュース、全部に同じだけお砂糖を入れたの?」

「うん。だって全部一個の入れもんに入ってたもん」

 これがビンかなんかに入ってたなら他の入れもんにちょびっとだけお砂糖を入れたかもしれないよ?

 でも僕が貰ったセリアナのジュースは、木でできたおっきなボウルに入ってたもんだから、僕、その中にそのまんまお砂糖を入れちゃったんだよね。

「なるほど。まぁセリアナのジュースはたくさんあるから、大丈夫よ」

 それを聞いたお母さんは、もういっぺんセリアナのジュースを持ってきてくれるって言ったんだよ?

 でもね、キャリーナ姉ちゃんが薄めたらいいんじゃないの? って。

「薄めるって、これにお水を入れるの?」

「う〜ん。お水でもいいけど、牛のお乳とか……そうだ! 生クリームを入れたらおいしくなるんじゃない? だってお砂糖を入れて泡立てた生クリーム、とってもおいしいもん」

「生クリームを入れるの? ……うん、そうだね。この甘いのに混ぜたらおいしくなるかも!」

 僕ね、キャリーナ姉ちゃんのお話を聞いて、なんとなくそれがあってるような気がしたんだ。

 それにね、生クリームを入れるんだったら泡立てたやつの方がいいよって料理人のスキルが言ってる気がしたからその通りにしてみたんだよね。

 そしたらそれが大正解。

 お砂糖をいっぱい入ったセリアナのジュースに泡立てた生クリームをいっぱい入れて、それをよくかき混ぜてからお湯に溶かしたゼラチンを投入。

 それを冷蔵庫に入れて冷やしたら、お口に入れた瞬間にシュワシュワって溶けてっちゃうおいしいお菓子が出来上がったんだ。

「なんかさっきのものと全然違うものができちゃったけど、これはこれでおいしいわね」

「私、こっちの方が好き!」

 僕、これ知ってる。

 確かババロアって言うお菓子だ。

 ホントはゼリーを作るつもりだったのに、何でか知らないけど全く別のお菓子ができちゃったなぁ。

 でもこれは失敗じゃないよね?

 だってさ、

「あら、本当に美味しいわね」

「どこか頼りないような不思議な食感だけど、それがいいわね」

 お手伝いに来てくれてた近所のおばさんたちもみんなおいしいおいしいって言って、自分ちでも作りたいからってゼラチンとセリアナのジュースを持って帰ってっちゃったんだもん。



 読んで頂いてありがとうございます。

 ババロアは卵黄を入れるレシピが多いですけど、この世界では卵を加熱しないで食べるにはルディーン君の鑑定解析のような特殊なスキルが必要なので今回は省きました。

 無くても作れますし、その方がどの家でも作る事ができますからね。

 もし卵黄入りの物を作っていたらルディーンの仕事がまた増えてしまうから、村長さんから作るのを禁止されていたかも?

 これも甘味処カールフェルトで出すって事になったら、流石に8歳児を働かせすぎですからね。


 さて、皆さんも知っている通り、今年の3月に母が亡くなりまして、今回が初盆になります。

 その上うちは本家なので、お客さんが結構来るんですよ。

 それにお盆が過ぎた後も施餓鬼や卒塔婆をお墓に備えに行ったりとやる事が多いので、流石に書く時間が取れそうにありません。

 このような事情ですのですみませんが2週間ほどお休みをいただき、次回の更新は8月の22日になります。


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